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第一章--No,2

「Hi」

振り返ると彼が居た、其の顔には緊張を見せないようにと笑顔を見せていた。

私は「Hi!」・・・

沈黙が1秒だったか、2秒だったか、私の頭も心も緊張していた。

「今お仕事終わりですか?」

と、かたことの日本語で彼は話し始めた。

「ええ」・・・

「GOOD・・・GOOD・・・・」

ぎこちない2人の空気は周囲の人にも伝わる程に、私達は緊張していた。

「貴方は?」

「・・・・・・・」

目と目をただ見つめ合うだけの時間は、私達が語らずとも全てを理解するには十分な時間、それは、5秒程だったか。。。。

私は心の中で、

「早く帰りたい」
「恐い」
「そう、早く今すぐ帰ろう」

其の繰り返す自分の心の言葉に固まっていた。

「食事に行く約束です?」

「そうね・その様な約束したわね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「でも、、、私帰りたい気持ちがある」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「僕は何ヶ月も貴方を待った、この本屋で、会いたかった」

其の言葉を聞いた瞬間に、私は目の前が回り始めた。クルクル

返事をすることも忘れ、考える事も忘れ、只頭の中は真っ白な状態となっていた私に、彼は私の手を取り歩き始めた。

この手・・・・・

この手・・・・・

誰かが私の手を握り締めて、私の前を歩き、其の手は、

"僕達ははじまるよ"

そう語りかけていた。

食事を共にする程親しくない、

彼の何を知っている?

私は何を感じている?

気がつくと、彼の好きな日本料亭に着いた。

「ごめんなさい、今日私余り所持金がないの」

「??????」
「銀行に行くわね」
「NO!何を言う?おいで」

彼は何の仕事をしている人だろうか?
身なりはきちんとしている
清潔
知性はありそう

そうこうしている内に、私達は料亭の個室で将さんの挨拶を受けていた、そして、料理が運ばれてくるまでの暫くの時間、和室から見える庭園を見ながら沈黙していた。。。。

張り詰める緊張を破ったのは誰でもない、彼だった。

「Hi」
「Hi」
「僕はTomと申します、貴方のお名前は何ですか?」
「私は凛香、38歳、子供が1人いる離婚経験者」(笑)
「僕もおなじです」(笑)
「それ以上は言わなくていいですよ」


やはり・・・・・・・

彼も大きな傷を負っている・・・・・・


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